「工務店機能を兼ね備えた注文住宅を作る設計事務所」というスタンスと 作風が気になってずっと注目していた若い工務店が新たにOZONEに登録! ということで、楽しみに会社訪問させていただきました。
JR川口駅から徒歩20分、桜の木の向こう側に見えてきた本社は、 大きく張り出した3階を小さな2階建ての部分が支えているランドマークになりそうなかなり目立つ建物。 "これは只の工務店ではない!"的驚きをもちつつ来訪を告げると、 取締役・増井真也氏の案内で枕木が組まれた階段を上り、やはり"素材の使い方が只者ではない!"と思わせる2階事務所へと案内されました。 まだ30代の若い取締役に会社設立のきっかけを伺うと、学生時代からゼネコン修業時代も含めて教えを受けてきた 建築家・石山修武氏の建築論・住宅論を自分が実行することで社会に浸透させていきたいと思ったことだといいます。
取締役 増井真也氏
家づくりにおける施主の要望は多種多様、その家族が幸せに暮らすための住まいは世界で一つしかないはずなのに、 今の家づくりはすべてがメーカー・品番で構成され、コストを下げるために規格的な間取りで施工が簡単な既製品を使うことが常識になっている、 それを打破していくためには、建て主の要望をしっかり聞きとり、自らが設計し材料を吟味し自らが施工を指揮すること、 できることなら自分自身でつくること(さらに施主も巻き込むセルフビルド)で、 自分の設計に一つ一つオリジナル性をもたせながら細かいコスト管理を図り、 一つのプロジェクト全体に責任をもって完成させる体制をとることでした。 それはまさに、「建築家が住宅をやる意味があるとすれば、設計施工まで携わるほうが良い」 という石山氏の思想を具現化したものなのです。
masuii R.D.R gallery
ますいいリビングカンパニーは駅近の古い公団を改築し「masuii R.D.R gallery」を主宰して、 いろいろな若いアーティストの活動を支援しています。 創作への熱意ある若いアーティストとのコラボは家づくりにおいても期待以上の成果につながることがあるのだそうです。 例えば予算を決めて"これで出来るだけのことを提案してほしい"と相談すると、 創意工夫でその家に合ったオリジナルなものをつくってくれるとのこと。 これはきっと建て主のためにできるだけ良いものをつくりたい、という設計者の熱意が伝わるからこそ、 アーティストがこたえてくれるのだと思いますが、 人と人とのつながりと人の手がつくることを大切にする会社だからできることであり、世界にただ一つの家づくりの手法!と感動しました。
私がその姿に驚いた本社建物は、実は石山修武氏の設計で、会社の名付け親であり今でも顧問として心の拠り所となっているそうです。 今まで図面を引いていた設計者が現場打ち合わせに飛び出していく、その姿は頼もしく、早くお仕事をご一緒したいと実感する訪問となりました。
(家づくりコーディネーター 河澄 眞紀)